大会・講座・講演会

MR実践・先端講座

主な受講対象者:MR従事者

磁気共鳴医学では高度な技術が目白押しの状況です。MRI従事者はこれらを臨床に順次導入し、撮像を円滑に遂行するための知識,技術,経験が求められています。「MR先端・実践講座」では時宜にあったテーマを設定し、物理的基礎から撮像技術、プロトコル、診断法などの講義が行われますが、その分野のエキスパートが担当し、即実践できるような内容を目指しています。

第12回MR実践講座

「中枢神経の3T MRI」

 3T MRI装置は、本邦では薬事承認後、急速に普及しつつあり、2007年に全国での稼働台数が100台を越えた(全世界での稼働台数は2008年6月の時点で約1000台)。中枢神経系(特に脳)の3T MRIについては既に多くの研究論文が発表されており、1.5Tに対する優位性がほぼ固まったと言って良い。しかしながら、3Tの文献をくまなく検索するのは、”3T”, “3 T”, “3.0 T”, “3-T”, “3 tesla”, “three tesla”, “high field”などというように論文によってまちまちの用語が用いられているため結構手間がかかるし、多くの論文に目を通すのは時間的にも容易でない。本講座では、中枢神経の3T MRIに関して、その物理的基礎からルーチン撮像法、脊髄・脊椎・小児中枢神経における知見、拡散画像・灌流画像・SWIといった特殊撮像法、ならびにMRS・fMRIに至るまでの幅広い内容について、全国のエキスパートの先生方にご講演頂く。中枢神経の3Tに絞ったこのような講演会は、世界的にみてもおそらくまだあまり開催されていないであろうと自負している。日常臨床・研究のお役に立てば幸いである。

主催:日本磁気共鳴医学会教育委員会
日時:平成20年12月13日(土) 10:00~17:15
会場:学士会館本館210号室
〒101-8459 東京都千代田区神田錦町3-28
TEL:03-3292-5936
地下鉄都営三田線/都営新宿線/東京メトロ半蔵門線 神保町駅下車(A9出口) 徒歩1分

―プログラム―

  • 10:00~10:45 3T MR Physics
     浦山 慎一(京都大学高次脳機能総合研究センター)
    近年、臨床用にも幅広く利用されるようになってきた3テスラMRI装置であるが、得られる画像のコントラストを決めるMR物理的な性質、特に1.5テスラ装置との相違などを知ることは、大変重要である。本講義では、3テスラ装置における物理的性質を分かりやすく解説する。
     
  • 10:45~ 11:30 3T脳MRIのルーチン撮像プロトコール
     平井 俊範(熊本大学大学院医学薬学研究部)
    脳に対する3T MRI撮像においてさまざまなルーチン撮像法がある。ルーチン撮像法は大きく基本撮像法と追加撮像法に分けられる。基本撮像法により部位診断やある程度の質的診断は行えるが、追加撮像法を施行することでさらに脳病変の病態に迫ることができる。
     
  • 11:30~12:15 脊髄・脊椎における3T MRI
     松末 英司(鳥取大学医学部病態解析医学講座)
    脳疾患の診断における3T MRIの有用性に異論はないが、脊髄・脊椎疾患に対する3T MRIの優位性を示すまとまった報告はない。これまでの少数例の検討をもとに、脊髄・脊椎疾患の診断における3T MRIの有用性について探ってみたい。
     
  • 12:15~ 12:25 休憩
     
  • 12:25~ 13:10 ランチョンセミナー (共催 エーザイ(株))
    臨床MRSの基礎と応用
     木村 浩彦(福井大学医学部病態解析医学講座)
    MRSをMRIに追加して臨床の場で利用を図るには、付加し得る情報をできるだけ明らかとする必要がある。MRSに要する時間と得られる情報の比較選択が必要である。講演では、MRSを手際よく行う際の基本的な留意点と臨床応用にて得られる情報に焦点をあて概説する。
     
  • 13:10~13:20 休憩
     
  • 13:20~14:05 小児中枢神経領域における3T MRI
     安藤久美子(兵庫医科大学放射線医学教室)
    3T MRIの1.5Tに比べた有利性は、高空間分解能の画像を撮像できる点、およびtensor imaging, functional imaging, MR spectroscopyなどの脳機能を反映した生体情報を得られる点である。小児領域において応用は始まったばかりであるが、最近続々と新たな知見が報告されている。本講演ではこれらの知見、応用の可能性を紹介する。また、胎児領域などの3T MRIの応用の限界についても可能であれば触れたい。
     
  • 14:05~14:50 3T 拡散強調画像・拡散テンソル画像
     青木 茂樹(順天堂大学医学部放射線医学講座)
    3T MRによるSNR向上で、thin sliceの画質が向上し、MPRも有用となった。信号不足であった、 PROPELLER(BLADE)の画質も向上した。DWI/DTIの臨床応用を中心に、脳科学の話題(FSL/FBSS)にも触れたい。
     
  • 14:50~15:00 休憩
     
  • 15:00~15:45 3T MRにおける灌流画像
     日向野修一(東北大学病院放射線診断科)
    3T MRI装置の特徴である高い信号雑音比(SNR)と強い磁化率効果は、Gd造影剤を用いたdynamic susceptibility contrast (DSC) 法による灌流画像の画質・精度の向上につながる。今一つの特徴であるT1値の延長は造影剤を使用しないarterial spin labeling (ASL) 法に有利である。本講演では、最初に3T装置におけるDSC法の特徴を簡単に解説し、その後、3T装置の優位性が期待されているASL法による灌流画像について、臨床応用を主体に解説する。
     
  • 15:45~16:30 SWIから学ぶMRの原理と臨床
     井田 正博(荏原病院放射線科)
    Susceptibility-weighted imaging(SWI)の基礎と原理、臨床応用について説明する。1.磁化率とは;?透磁率、?常磁性と強磁性、2.SWIの原理;?撮像条件、?再構成法、3.3T装置の有用性、4.微小出血の検出、5.静脈奇形の診断、6.脳虚血急性期;血栓、塞栓の検出とmisery perfusionの評価、7.静脈疾患急性期;静脈圧亢進状態の評価。
     
  • 16:30~17:15 臨床fMRIの基礎―課題の作り方と検査施行上の留意点
     中井 敏晴(国立長寿医療センター研究所)
    fMRIは研究目的では大いに活用されてきたものの、臨床診断の手法としてはなかなか普及しないが、その原因は個人データの解析の難しさにある。精度を向上させるために注意すべき点を中心に基礎脳機能計測の方法について概説する。
このページのTOPへ